わかりやすい作業手順書の書き方を探している担当者に向けて、すぐに使えるサンプルやテンプレートを紹介します。
本記事では、製造業や事務作業などの具体的な事例を参考に、初心者でも迷わずに作成できる手順やコツを解説します。

標準的なフォーマットを参考に、質の高い作業手順書を効率的に作成しましょう。

目次(開く場合はクリック)

そもそも作業手順書とは?マニュアルとの違いを解説

作業手順書とは、特定の作業を「誰が・いつ行っても、同じ品質で安全に完了できること」を目的とした文書です。
作業の目的、具体的な手順、注意点などが順を追って記されており、業務の標準化に欠かせません。
標準作業手順書(SOP)とも呼ばれ、業務品質の維持や生産性向上といったメリットがあります。

一方、マニュアルは製品の仕様や業務全体のルールなど、より広範囲な情報を網羅した文書を指し、特定の一作業に特化した手順書とは目的が異なります。

【画像付き】業種別の作業手順書サンプル例

実際の仕事で作業手順書をどのように活用するのか、具体的な事例を業種別に紹介します。
これから示す見本を参考に、自社の業務に合った手順書のイメージを掴みましょう。
写真や図を効果的に使うことで、文章だけでは伝わりにくい内容も直感的に理解できるようになります。

製造業で活用する作業手順書の例

製造業では、製品の品質と作業の安全性を確保するために作業手順書が不可欠です。
例えば、特定の機械の操作手順、部品の検査方法、組み立て工程などを文書化します。
手順書には、使用する工具や部品の写真、締め付けトルクのような具体的な数値、危険予知(KY)活動に基づく安全上の注意点を明記します。

建設業における重機の操作手順や、高所作業の安全手順なども同様に作成されます。

ここでは、製造業で使用される作業手順書の一例として、「部品Aの組み立て作業」を想定したサンプルを紹介します。

作業手順書は、担当者による作業品質のばらつきを防ぎ、安全に作業を進めるために作成します。特に製造業では、使用する工具、作業順序、確認項目、安全上の注意点を明確にしておくことが重要です。

事務作業で活用する作業手順書の例

事務作業における作業手順書は、主にパソコン操作や書類作成のフローを標準化するために用いられます。
代表的な例として、請求書の発行手順、経費精算システムの入力方法、新規取引先の登録プロセスなどが挙げられます。

こうした事務手順書では、システムの操作画面のスクリーンショットや、書類の記入例といったビジュアル情報を用いることで、担当者が変わってもミスなくスムーズに業務を引き継ぐことが可能になります。

ITシステムの操作に関する作業手順書の例

ITシステムの分野では、正確な操作が求められるため作業手順書が極めて重要です。
例えば、サーバーの再起動手順、ソフトウェアのインストール方法、ネットワーク機器の設定変更といった作業が対象となります。
手順書には、実行するコマンド、設定画面のスクリーンショット、パラメータの入力値などを正確に記載します。

また、エラー発生時の対処法を併記することで、インシデント発生時にも迅速に対応できます。

    【無料】すぐに使える作業手順書のテンプレート3選

    ゼロから作業手順書を作成するのは手間がかかるため、既存のテンプレートを活用するのが効率的です。
    ここでは、代表的な3つのフォーマット(Excel、Word、PowerPoint)の特徴と、それぞれの使い方について解説します。
    業務内容や目的に合わせて最適なテンプレートの一覧から選び、作成の土台として活用してください。

    【Excel版】チェックリスト付きの汎用テンプレート

    Excelはセル単位で情報を整理できるため、工程が多く、管理項目が細かい作業の手順書作成に適しています。
    各手順の横にチェックボックスを設けることで、作業の進捗管理や実施漏れを防ぐチェックリストとしても機能します。
    レイアウトの自由度も高く、部品リストや管理表などを組み込んだ、汎用性の高いテンプレートが作成できます。

    参考:エクセル(Excel)マニュアル作成の完全ガイド|誰でもできる効率アップの方法

    【Word版】写真や図を多く使う業務向けのテンプレート

    Wordは文章作成機能に優れており、写真や図の挿入・配置がしやすいのが特徴です。
    そのため、文章による丁寧な説明と、多くのビジュアル情報を組み合わせたい場合に適しています。
    機械の操作や製品の組み立てなど、実際の作業風景を写真で見せながら解説する業務向けのテンプレートとして最適で、印刷して現場に配布する用途にも向いています。

    参考:【完全ガイド】Wordでマニュアル作成する方法!デザイン・レイアウトの工夫もご紹介

    【PowerPoint版】研修にも使えるプレゼン形式のテンプレート

    PowerPointは、スライド1枚に1つの手順(1アクション)を割り当てる形式で作成できるため、視覚的に理解しやすいのが大きなメリットです。
    図形や矢印なども簡単に追加でき、画面遷移を伴うPC操作の説明にも適しています。
    作成した手順書をそのまま新人研修の資料としてスクリーンに投影するなど、プレゼンテーション形式での活用も容易です。

    参考:【作成例あり】PowerPoint(パワーポイント)でマニュアル作成!見やすくわかりやすいマニュアルのコツをご紹介

    わかりやすい作業手順書を作成するための6つのステップ

    わかりやすい作業手順書を作成するには、段取りが重要です。
    いきなり文章を書き始めるのではなく、目的設定から検証までのフローに沿って進めることで、内容に過不足のない構成が作れます。
    ここでは、誰でも実践できる作成の順番を6つのステップに分けて解説します。
    各ステップで必要な項目を整理していきましょう。

    作業手順書作成ステップ①:目的と対象の読者を明確にする

    最初に「誰が、何のために」この手順書を使うのかを定義します。
    対象読者が新人なのか、ある程度の知識を持つ経験者なのかによって、説明の詳しさや専門用語の使用可否が決まります。
    また、目的を「品質向上」「作業時間の短縮」「安全確保」などと明確にすることで、手順書に盛り込むべき内容の優先順位が定まります。

    作業手順書作成ステップ②:業務に関わる作業内容をすべて書き出す

    次に、手順書で説明する業務範囲に含まれる作業を、思いつく限りすべてリストアップします。
    この段階では順序や重要度を気にせず、箇条書きで構わないので、抜け漏れがないように洗い出すことが重要です。
    普段その作業を行っている担当者にヒアリングするなどして、細かいコツや注意点も含めて書き出します。

    作業手順書作成ステップ③:作業を時系列やカテゴリで整理する

    ステップ2で書き出した作業リストを、意味のあるかたまりに整理します。
    最も基本的な整理方法は、作業の発生順である「時系列」に並べ替えることです。
    作業工程が多い場合は、「準備」「実行」「後片付け」のように大きなカテゴリでグループ分けしてから、各カテゴリ内で時系列に並べると、構造が分かりやすくなります。

    作業手順書作成ステップ④:手順書の全体像となる構成案を作成する

    整理した作業リストをもとに、手順書の目次となる構成案を作成します。
    章・節・項といった階層構造を意識し、全体の骨子を固めます。
    例えば、「1.事前準備」「2.〇〇の操作手順」「3.トラブルシューティング」のような大枠を決めます。

    この構成案が手順書全体の設計図となり、執筆の道筋を示す役割を果たします。

    作業手順書作成ステップ⑤:具体的な手順を写真や図を交えて記述する

    作成した構成案に従い、具体的な手順の肉付けを行っていきます。
    文章だけで説明するのではなく、作業対象物の写真やPCのスクリーンショット、フロー図などを積極的に活用します。
    特に重要な箇所は、矢印や丸で囲むなどの加工を施すことで、視覚的にポイントが伝わりやすくなります。

    作業手順書作成ステップ⑥:内容の過不足を検証する

    手順書が完成したら、必ずその内容が正しいか、分かりにくい点はないかを検証します。
    最も効果的な方法は、その作業に不慣れな人に手順書だけを渡して実際に作業をしてもらうことです。

    つまずいた点や質問が出た箇所が、改善すべきポイントです。
    フィードバックを元に修正を重ね、完成度を高めていきます。

    作業手順書の効果を最大化させる3つの書き方のコツ

    作成ステップに沿って手順書を作った上で、さらにわかりやすく、伝わりやすいものにするためのコツを紹介します。
    以下の3つの注意点を意識することで、作業の標準化や効率化といった本来の目的を達成しやすくなります。
    誰が読んでも迷わない手順書を作成するための基本ルールとして押さえておきましょう。

    コツ1:1つの手順に含める操作は1つに絞る

    1つの手順項目には、1つの操作(アクション)だけを記述する「1ステップ・1アクション」を徹底します。
    「Aボタンを押してから、Bの画面が表示されたらCを入力する」のように複数の動作を1文にまとめると、作業者は次の行動を一度に記憶する必要があり、混乱やミスの原因になります。

    手順は細かく分解し、番号を振って一つずつ記述します。

    コツ2:専門用語や曖昧な表現を避けて具体的に書く

    手順書は、業務に不慣れな人でも理解できるように書くことが基本です。
    社内でしか通用しない専門用語や略語の使用は避け、誰にでも伝わる平易な言葉を選びます。
    「しっかり締める」「きれいに清掃する」といった曖昧な表現も使わず、「トルクレンチで15N・mで締める」「アルコールで表面を拭く」のように、数値や具体的な行動で示します。

    コツ3:作業者目線の写真や図解で直感的な理解を促す

    写真や図は、作業者と同じ視点(一人称視点)で撮影・作成すると、より直感的な理解につながります。
    例えば、工具を握る手の写真や、PC画面を操作している本人の目線のスクリーンショットなどが効果的です。
    客観的に全体を写した俯瞰の写真だけでなく、作業者が見ているであろう視点からのビジュアルを加えることで、迷いなく作業を進める手助けとなります。

    作業手順書に関するよくある質問

    作業手順書の作成や運用において、担当者が抱きやすい疑問とその回答をまとめました。
    作成の必要性から、改訂のタイミング、管理方法といった実務的な内容に触れていきます。

    なぜ作業手順書を作成する必要があるのですか?

    業務品質の標準化と属人化の解消が主な目的です。
    手順書があれば、作業者のスキルや経験に依存せず、誰もが一定の品質で業務を遂行できます。
    担当者の急な欠勤や異動があっても業務が滞るリスクを減らし、新人の教育コスト削減にも貢献します。

    作成した手順書はどのように保管・管理すれば良いですか?

    関係者全員がいつでもアクセスできる共有フォルダやクラウドストレージで管理するのが基本です。
    その際、ファイル名に作成日やバージョン番号を入れるルールを定め、誰が見ても最新版が分かるようにします。
    紙で保管する場合は、改訂時に差し替えやすいバインダー形式が適しています。

    作業手順書はどのくらいの頻度で見直すべきですか?

    業務フローや使用するツールに変更があった場合はその都度、特に変更がない場合でも最低年に1回は定期的に見直すことを推奨します。
    古い情報が残っていると、ミスやトラブルの原因になりかねません。
    不要なリスクを避けるためにも、常に内容を最新の状態に保つ改訂ルールを設けましょう。

    作業手順書の例を参考に作成してみよう

    作業手順書は、業務の品質を安定させ、誰もが安全かつ効率的に作業を進めるために不可欠なツールです。
    本記事で紹介した業種別のサンプルや無料テンプレートを参考にすることで、作成の負担を大幅に軽減できます。
    作成する際は、常に読み手である作業者の視点に立ち、「1ステップ・1アクション」や図解の活用といった分かりやすくするためのコツを意識することが重要です。

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