マニュアルの作成・更新・共有に意外と時間や手間はかかるものです。そんな課題を解決するのが、SaaS型のマニュアル作成ツールです。クラウド上での管理により、いつでもどこでもアクセス可能。複数人でのリアルタイム編集やバージョン管理、アクセス制限といった機能で、業務の効率化とセキュリティを両立できます。
本記事では、今注目のSaaSマニュアル作成ツール10選を厳選紹介。それぞれの特徴・機能・価格を比較し、目的や業種に合ったツール選定のポイントや、導入後の運用・活用方法まで徹底解説します。
SaaSマニュアル作成ツールのメリット
1. どこからでもアクセス可能
SaaSツールはインターネットさえあれば利用できるため、社内はもちろん、在宅勤務中の社員や外出先のスタッフでも、マニュアルを閲覧・編集できます。場所を問わず情報にアクセスできることで、業務のスピードや柔軟性が格段に向上します。支店や拠点が複数ある企業にとっては、情報の一元管理にも有効です。
2. リアルタイム共同編集
複数人が同じマニュアルを同時に編集できるため、担当者ごとの作業の重複や、ファイルのやり取りによるタイムロスが発生しません。進捗をリアルタイムで確認しながら、必要に応じてコメントや修正が加えられるため、チーム全体でスピーディかつ効率的にドキュメントを整備できます。
3. バージョン管理
SaaSツールでは自動で変更履歴が保存されるため、どの時点で誰が何を編集したかを確認できます。誤って内容を変更・削除してしまっても、過去のバージョンに簡単に戻せるため、安心して運用できます。また、更新履歴をもとに改善の経緯をたどることもでき、ナレッジの蓄積にも役立ちます。
4. アクセス制御でセキュリティを担保
ユーザーごとに閲覧・編集の権限を細かく設定できるため、機密性の高いマニュアルでも安心して管理できます。例えば、マニュアルの編集は特定部署に限定し、他の社員は閲覧のみ可能とするなど、柔軟な運用が可能です。社外への誤送信や情報漏洩リスクの軽減にもつながります。
5. コスト削減
オンプレミスのように自社でサーバーを構築・管理する必要がないため、初期費用や保守コストを大幅に削減できます。さらに、ソフトウェアのアップデートやセキュリティ対策も自動で行われるため、IT部門の業務負担も軽減され、リソースを他の業務に集中させることができます。
6. 高度な検索機能
マニュアル全体をキーワードで素早く検索できる機能が搭載されているため、必要な情報を探す時間を大幅に短縮できます。紙やPDFマニュアルでは探すのに時間がかかる情報も、SaaSツールなら一瞬で見つかります。業務中のちょっとした疑問にもすぐ対応でき、作業効率が飛躍的にアップします。
SaaSマニュアル作成ツールのデメリット
1. インターネット環境が必要
SaaSツールはクラウド上で動作するため、基本的にインターネット接続がなければ利用できません。そのため、Wi-Fiが不安定な場所や移動中、災害時など通信環境が確保できない状況では、マニュアルの閲覧や編集ができないという制約があります。業務でオフライン利用が頻繁に想定される場合は、別途対策(例:ローカル保存機能のあるツールの選定)が必要です。
2. セキュリティリスク
マニュアルデータをクラウド上に保存するという特性上、不正アクセスやウイルス感染などによる情報漏洩のリスクはゼロではありません。また、社内のユーザーによる誤操作で、誤って社外に情報を共有してしまうといった内部リスクも考えられます。そのため、アクセス権限の細分化や二段階認証、通信の暗号化など、セキュリティ対策がしっかりしたサービスを選ぶことが重要です。
3. ランニングコストが発生
SaaS型ツールは、使い続ける限り月額または年額の利用料金が発生します。無料プランが用意されているツールもありますが、機能制限があったり、ユーザー数・保存容量に制限がある場合が多く、業務利用には不十分なケースもあります。そのため、利用目的に対して必要な機能が備わっているか、有料プランのコストが予算に見合っているかを慎重に見極める必要があります。
【比較】おすすめSaaSマニュアル作成ツール10選
ツール名 | 主な機能 | 特徴 |
COCOMITE | テンプレート、画像・動画添付、アクセス権限設定、マルチデバイス対応 | 直感的な操作でマニュアル作成が可能。部門ごとのアクセス管理が柔軟に設定できる。 |
トースターチーム | AIによるマニュアル自動生成、動画・画像編集、検索機能 | AIを活用してマニュアル作成時間を大幅に削減。ナレッジ共有にも強み。 |
NotePM | バージョン管理、全文検索、アクセス制限、Markdown対応 | 社内ナレッジの蓄積・共有に特化。シンプルなUIで使いやすい。 |
Dojo | 操作手順の自動記録、画面キャプチャ、自動マニュアル生成 | PC操作を記録するだけでマニュアルを自動生成。編集も簡単。 |
iTutor | 動画マニュアル作成、eラーニング教材作成、テスト機能 | 操作画面を録画してスライド化。教育コンテンツの作成に最適。 |
tebiki | 動画マニュアル作成、音声認識による字幕生成、自動翻訳 | スマホで撮影した動画から簡単にマニュアル作成。多言語対応でグローバル展開にも対応。 |
VideoStep | 動画マニュアル作成、多言語ナレーション、オフライン再生 | オフライン環境でも再生可能。外国人スタッフ向けの教育にも最適。 |
shouin+ | eラーニング機能、チェックリスト、フィードバック機能 | 教育・研修向けの機能が充実。マニュアルを活用した人材育成に強み。 |
EZLecture | 操作手順の自動記録、マニュアル自動生成、多言語対応 | PC操作を記録して高品質なマニュアルを自動生成。多言語対応で海外展開にも対応。 |
Helpfeel | 自然言語検索、FAQ作成支援、ナレッジ共有 | 高精度な検索機能で、必要な情報に迅速にアクセス可能。サポート部門向けに最適。 |
SaaSマニュアル作成ツール選定のポイント
目的に合ったSaaSマニュアル作成の方向性を定めよう
まずは、「何のためにマニュアルを作成するのか」「誰に向けて提供するのか」をはっきりさせることが重要です。
例えば、社内向けの業務マニュアルと、顧客向けのFAQでは、求められる機能や表現方法が大きく異なります。
社内マニュアルなら「アクセス権限管理」や「更新履歴の追跡」が重要となり、社外向けFAQなら「検索性」や「多言語対応」がポイントになります。目的を明確にすることで、必要な機能や適したツールの選定がしやすくなります。
必須・便利な機能を見極めてマニュアル作成ツールを選ぶ
ツール選定では、「絶対に必要な機能」と「あれば便利な機能」を整理しましょう。
例えば、業務効率を高めるためには以下のような機能が考えられます。
- 【必須機能の例】検索機能、テンプレート、アクセス権限管理、バージョン管理
- 【便利な機能の例】動画マニュアル対応、他ツールとの連携(Google Workspace、Slackなど)、スマホ対応、多言語対応
事前に要件を明確にしておくことで、無駄な機能にコストをかけるリスクも減らせます。
SaaSマニュアル作成ツールのコストを比較
SaaSツールは多くの場合、月額または年額の課金モデルを採用しています。
「無料プランでも目的は達成できるか」「有料プランにすることでどれだけ業務効率が向上するか」を見極めることが大切です。
また、利用人数が多い場合や複数拠点での運用を想定している場合は、ライセンス体系や課金の仕組み(ユーザー数課金か定額か)にも注意が必要です。
使いやすさ重視で選ぶ!マニュアル作成ツールのUI・UXとは
どんなに高機能でも、使いづらければ活用されません。
特に現場の担当者やITに詳しくないスタッフも使うことを想定して、直感的に操作できるUIかどうかをチェックしましょう。
無料トライアルなどを活用し、実際に使ってみるのも有効です。マニュアル作成のハードルを下げることで、チーム全体での活用が進みます。どんなに高機能なツールでも、使いにくければ誰も活用しません。特に、現場担当者やITスキルが高くないスタッフが利用することも考慮し、直感的に操作できるUIであるか確認しましょう。無料トライアルなどを利用して、実際に操作してみるのも効果的です。マニュアル作成のハードルを下げることで、チーム全体でのツール活用が促進されます。
セキュリティ面も安心できるSaaSマニュアル作成ツールを
クラウド型ツールである以上、情報漏洩対策は非常に重要です。以下のようなセキュリティ機能が整っているかを必ず確認しましょう。
- アクセス権限の細分化(部署別・役職別など)
- 通信の暗号化(SSL対応)
- 操作ログの記録(誰が・いつ・何をしたか)
機密性の高い情報を扱う場合は、ISMS認証の有無やデータセンターの信頼性にも注目しましょう。
サポートが充実しているSaaSマニュアル作成ツールを選ぼう
導入後の「困った」をすぐに解決できる体制が整っているかも、ツール選定の重要なポイントです。例えば以下のようなサポートがあると安心です。
- チャットや電話などの問い合わせ窓口
- 操作マニュアル・FAQの充実度
- 導入支援や初期設定サポートの有無
操作に不慣れな担当者でも安心して使えるよう、充実したサポート体制があるかを確認しましょう。
SaaSマニュアル作成ツールの導入実績を参考に
同業種・同規模の企業が導入している実績があるかは、大きな安心材料となります。
公式サイトや導入事例ページをチェックし、自社の課題や環境と近いケースがあるかを見てみましょう。導入企業の声や成功事例を参考にすることで、自社導入後のイメージもしやすくなります。
SaaSマニュアル作成ツール導入後の運用と活用ポイント
SaaSツール導入前に作成体制をしっかり構築
SaaSマニュアル作成ツールを効果的に運用するためには、誰がマニュアルを作成・更新・承認するのかを明確にしておくことが重要です。
たとえば「現場担当者が初稿を作成」「管理職が内容をレビュー・承認」「人事部が公開・配信管理」など、役割分担を明文化しておくことで、作業の属人化や手戻りを防げます。
ツール内で役割(編集者、閲覧者、承認者など)を設定できる機能を活用すると、運用がスムーズになります。
マニュアル作成ツールのテンプレートで作業を効率化
SaaSマニュアル作成ツールには、業務内容に応じたテンプレート機能が備わっていることが多く、これを活用することで作業の統一感とスピードが格段に向上します。
たとえば、業務フロー形式、Q&A形式、チェックリスト形式などのテンプレートをあらかじめ用意しておけば、作成者ごとの表現のばらつきがなくなり、読み手にとっても見やすくなります。
社内の標準フォーマットとして活用することで、マニュアルの品質も安定します。
SaaSマニュアル運用に欠かせないレビューフロー整備
作成されたマニュアルが正確で網羅的であるためには、レビューのプロセスが不可欠です。
「作成→レビュー→承認→公開」の流れをSaaSマニュアル作成ツール内で自動化・可視化することで、誰がいつどのステップで止まっているのかを把握できます。
これにより、属人的な判断や確認漏れを防ぎながら、内容の信頼性も担保できます。
マニュアル管理におけるアクセス制御の重要性
マニュアルの内容によっては、閲覧・編集できる人を限定すべき場合があります。
例えば、人事マニュアルは人事部のみに、営業ノウハウは営業部門のみにといったように、部署ごと・職種ごとにアクセス権限を設定することで、情報の混乱や漏洩リスクを防ぐことができます。
多くのSaaSツールでは、ユーザーごと・グループごとに柔軟な権限管理が可能です。
マニュアルの鮮度を保つSaaSならではの更新ルール
マニュアルは作って終わりではありません。業務内容の変更や法改正などに対応するため、定期的な見直しと更新の仕組みが必要です。
SaaSマニュアル作成ツールには、更新期限の通知やリマインダー機能が搭載されていることが多いため、これを活用して「3か月に1回見直す」「変更履歴を記録する」などの運用ルールを明文化しておきましょう。
SaaSツールの分析機能でマニュアル活用状況を可視化
マニュアルが「実際に活用されているか」「業務に役立っているか」を可視化するために、データを活用した効果測定が重要です。
具体的には以下のような指標を活用します。
- 閲覧数や滞在時間
- 検索されたキーワード
- 関連する問い合わせ件数の変化
- アクセスユーザーの傾向(部署別など)
これらを分析し、「どの部分が読まれていないか」「内容が不足している箇所はどこか」を特定すれば、より使いやすく、価値のあるマニュアルに改善していくことができます。
SaaSツールを利用してマニュアルを作成しよう
マニュアル作成は、業務の標準化や引き継ぎ、教育の効率化に欠かせない要素です。しかし、従来の方法では時間も手間もかかり、更新性にも課題がありました。そこで注目されているのが、マニュアル作成に特化したSaaSツールの活用です。
本記事では、目的別におすすめのツールを10選紹介し、それぞれの特徴や導入メリット、効果的な活用術を解説しました。操作性の高さや共有機能の充実、AIや動画対応など、ツールごとに強みはさまざま。自社の課題や運用体制に合ったツールを選ぶことが、業務効率化とナレッジ定着の鍵になります。
マニュアル作成をもっとスマートに、もっとスピーディーに進めたい方は、ぜひ今回紹介したSaaSツールの導入を検討してみてください。
効率的なマニュアル作りは、プロに任せるのも一つの選択肢
Excelマニュアルの作成には、計画・構成・デザイン・更新といった複数の工程が必要であり、手間も時間もかかります。実際、「作りかけで止まっている」「中途半端に作ったけど使われていない」といった声も少なくありません。社内で完結させようとすると、他業務との兼ね合いでどうしても後回しになってしまいがちです。そういった場合は、マニュアル作成のプロに依頼するのも有効な手段です。
mayclassでは、実績のあるマニュアル制作のプロが企業ごとの業務内容を丁寧にヒアリングし、実務に即した分かりやすいマニュアルを提供しています。重要な業務を優先的にマニュアル化し、早期の業務改善を図るだけでなく、視覚的にも整理されたデザインで、誰でも迷わず使える資料に仕上げます。マニュアルは作って終わりではなく、使われて初めて意味を持ちます。マニュアルで属人化の解消、教育コストの削減、業務の標準化といった課題の解決を目指すなら、mayclassへの問い合わせをぜひ一度ご検討ください。
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