業務の中で、「手作業ばかりで時間がかかる」「何度も同じミスを繰り返してしまう」。そんな悩みを抱えていませんか?実はその多くが、エクセルの基本機能を少し活用するだけで、簡単に解決できます。

「関数は難しそう」「便利機能を覚える時間がない」と感じている方でも大丈夫。特別なスキルやIT知識がなくても、誰でもすぐに実践できる操作や仕組みだけで、作業の手間を大きく減らし、ミスを防ぎ、見やすく整った業務資料をつくることができます。

本記事では、エクセルの基本機能や無料テンプレートを活用して、業務を効率化する方法をわかりやすくご紹介します。

目次
  1. 業務が非効率になるエクセルの使い方あるある
    1. 同じ作業を何度も繰り返している
    2. 手作業の集計・コピペで時間がかかる
    3. 入力ミスや形式ズレが頻発している
    4. 情報を探すのに手間がかかる
  2. 知っているだけで作業時間が激減!エクセルの便利な関数10選
    1. 1. IF:条件に応じて自動判定
    2. 2. IFERROR:エラー表示の防止
    3. 3. VLOOKUP / XLOOKUP:別シートや表から自動参照
    4. 4. COUNTIF / SUMIF:条件に応じた件数や合計を自動集計
    5. 5. TEXT:日付・数値の見やすい表示に
    6. 6. CONCAT / TEXTJOIN:文字列の結合・整理
    7. 7. TODAY / NOW:日付や時刻を自動表示
    8. 8. UNIQUE(Microsoft 365):一覧の整理に便利
    9. 9. FILTER(Microsoft 365):条件でデータを自動抽出
    10. 10. 実務での組み合わせ例
  3. 機能を使いこなすだけで業務効率化!エクセル操作術
    1. エクセル操作術①:条件付き書式
    2. エクセル操作術②:入力規則(プルダウンリスト)
    3. エクセル操作術③:テーブル機能
    4. エクセル操作術④:フィルターと並び替え
    5. エクセル操作術⑤:セルの保護とシート管理
  4. 業務効率化に役立つエクセルの無料テンプレート5選
    1. 1. 勤怠管理シート(自動計算つき)
    2. 2. タスク・進捗管理表(色分け+チェック機能)
    3. 3. 月次報告書フォーマット(自動日付・整形済)
    4. 4. 顧客管理リスト(一覧+検索性を向上)
    5. 5. 在庫・発注管理シート(自動集計+警告色つき)
  5. エクセルで叶う!業務の効率化を成功させるための3ステップ
    1. 業務効率化Step1|ムダが発生している業務を洗い出す
    2. 業務効率化Step2|Excelで「省力化・見える化」できる作業を特定する
    3. 業務効率化Step3|テンプレートや関数をチームで統一運用する
  6. 今日からできる!エクセルの基本機能だけで業務をスマートに
  7. 業務効率化ならmayclassにおまかせください

業務が非効率になるエクセルの使い方あるある

エクセルは誰でも使える身近なツールですが、間違った使い方を続けていると、かえって作業に時間がかかってしまうことがあります。ここでは、業務が非効率になりがちな“あるある”な使い方を紹介し、どのように改善できるのかを見ていきましょう。

同じ作業を何度も繰り返している

「毎月の報告資料を一から手作業で作っている」「毎回同じ書式をコピーして集計している」このような繰り返し作業は、関数やテンプレート、表の自動化機能を使えば一瞬で終わる可能性があります。
業務のたびに同じ作業をするのは、時間と労力の大きなムダです。

手作業の集計・コピペで時間がかかる

データをコピーして別のシートに貼り付けて集計、手動で計算…このような作業は人的ミスの原因にもなります。エクセルには、自動で集計・参照してくれる関数やテーブル機能が備わっており、手作業の手間を大幅に減らすことができます。

入力ミスや形式ズレが頻発している

日付の形式がバラバラ、全角と半角が混在、数字に文字列が混じっている…そんな経験はありませんか?入力ルールをあらかじめ設定しておくことで、入力ミスや形式ズレを防ぐことが可能です。エクセルの「入力規則」や「条件付き書式」を使えば、正しい形式の入力を促すことができます。

情報を探すのに手間がかかる

大量のデータが並ぶシートで、必要な情報を目で探していると、時間がかかる上に見落としの原因にもなります。「フィルター機能」や「検索性を高めた一覧形式」に変えるだけで、必要な情報を一瞬で見つけることができるようになります。

これらの“あるある”な課題は、すべてエクセルの基本機能で改善することが可能です。

知っているだけで作業時間が激減!エクセルの便利な関数10選

エクセルには、ちょっとした知識で作業を一気に効率化できる関数が数多く用意されています。ここでは、業務で特に役立つ10の関数を目的別にわかりやすく解説します。難しい数式ではなく、まずは「なにができるか」だけを押さえましょう。

No.関数名主な用途・効果使用例補足情報
1IF条件に応じて表示を切り替える=IF(A1>=100000, “達成”, “未達”)合否判定やステータス表示に便利
2IFERRORエラーが出た場合に任意の値を表示=IFERROR(A1/B1, “-“)割り算や参照でのエラー回避に最適
3VLOOKUP / XLOOKUP別表から自動で値を引っ張る=VLOOKUP(A2, 顧客一覧!A:D, 2, FALSE)XLOOKUPはMicrosoft 365推奨
4COUNTIF / SUMIF条件に合う件数や合計を集計=COUNTIF(A:A, “営業部”)=SUMIF(B:B, “>=100000”, B:B)条件付き集計の定番
5TEXT数値や日付を読みやすい形式に変換=TEXT(A1, “yyyy年m月d日”)和暦や通貨形式にも対応
6CONCAT / TEXTJOIN複数のセルを1つにまとめる=TEXTJOIN(“, “, TRUE, A1:C1)区切り文字を自由に設定可能
7TODAY / NOW現在の日付・時刻を自動表示=TODAY() / =NOW()日付記録やログ作成に役立つ
8UNIQUE(Microsoft 365)重複を除いた一覧を作成=UNIQUE(A:A)名簿やカテゴリ一覧の整理に便利
9FILTER(Microsoft 365)条件に合うデータだけを抽出=FILTER(A2:C100, B2:B100=”営業部”)表の自動抽出に対応
10実務での組み合わせテクニック関数の組み合わせでさらなる効率化IF+VLOOKUPTEXTJOIN+FILTERXLOOKUP+IFERROR実用的なセット運用で時短効果が倍増

1. IF:条件に応じて自動判定

「売上が〇円以上なら合格、未満なら要対応」など、条件に応じて表示内容を変えたいときに活躍します。
例:=IF(A1>=100000, “達成”, “未達”)

2. IFERROR:エラー表示の防止

数式の結果がエラーになる場合、「-」や「未入力」などに自動で置き換えることができます。
例:=IFERROR(A1/B1, “-“)

3. VLOOKUP / XLOOKUP:別シートや表から自動参照

顧客情報や商品名など、別シートにある情報を自動で引っぱってくるときに便利です。
・VLOOKUPは縦方向、XLOOKUPはより柔軟な検索に対応(Microsoft 365 推奨)
例:=VLOOKUP(A2, 顧客一覧!A:D, 2, FALSE)

4. COUNTIF / SUMIF:条件に応じた件数や合計を自動集計

「〇〇部門だけの人数」や「売上10万円以上の件数」など、条件を指定した集計が簡単にできます。
例:=COUNTIF(A:A, “営業部”) / =SUMIF(B:B, “>=100000”, B:B)

5. TEXT:日付・数値の見やすい表示に

日付や数値を、「〇月〇日」「¥123,456」など見やすい形式に整えることができます。
例:=TEXT(A1, “yyyy年m月d日”)

6. CONCAT / TEXTJOIN:文字列の結合・整理

複数のセルの内容をまとめて表示するのに便利です。
TEXTJOINは、区切り文字(カンマ・改行など)を指定して結合できます。
例:=TEXTJOIN(“, “, TRUE, A1:C1)

7. TODAY / NOW:日付や時刻を自動表示

ファイルを開いた日付や現在の時刻を自動表示。報告書や記録に便利な関数です。
例:=TODAY() / =NOW()

8. UNIQUE(Microsoft 365):一覧の整理に便利

重複を除いたリストを自動生成します。名簿や商品リストの整備に最適。
例:=UNIQUE(A:A)

9. FILTER(Microsoft 365):条件でデータを自動抽出

「〇〇部だけ」「売上が高い順に」など、特定条件でデータを抽出した一覧を作成できます。
例:=FILTER(A2:C100, B2:B100=”営業部”)

10. 実務での組み合わせ例

・IF+VLOOKUPで自動チェック&参照
・TEXTJOIN+FILTERでリスト生成
・IFERRORでエラー防止つきのXLOOKUP

これらの関数は、一度覚えればずっと使える「業務効率化の資産」になります。

機能を使いこなすだけで業務効率化!エクセル操作術

エクセルには、関数以外にも業務効率化に役立つ便利な操作機能が豊富にそろっています。うまく活用すれば、ミスや手戻りを防ぎ、チーム全体の作業品質を底上げすることができます。

エクセル操作術①:条件付き書式

数値が基準を超えたら赤くする、指定の文字が入力された行だけ色を変える。条件に応じて自動的に色付けができるため、ひと目で異常値や重点項目がわかります。
例:売上が10万円未満なら赤、10万円以上なら緑

エクセル操作術②:入力規則(プルダウンリスト)

手入力だと発生しがちな表記ゆれや誤記も、プルダウン形式にしておけば統一できます。
「担当者名」「ステータス」「月名」など、あらかじめ選択肢を用意しておくことで入力の手間とミスを削減します。

エクセル操作術③:テーブル機能

「テーブル」として設定すると、行列の自動拡張・フィルター・集計行の表示などがワンクリックで可能になります。関数と組み合わせれば、更新のたびに自動反映されるシートが作れるため、月次や週次業務に最適です。

エクセル操作術④:フィルターと並び替え

大量のデータから条件に合った行だけを表示したり、金額順・日付順に並べ替えたりできる機能です。「営業部だけ」「完了していないタスクだけ」など、業務上の判断に必要な情報だけを抽出するのに役立ちます。

エクセル操作術⑤:セルの保護とシート管理

複数人でエクセルを使う場面では、うっかり消してはいけないセルの保護や、編集可能範囲の制限が重要になります。「数式セルをロック」「入力欄だけ編集可」「シートの非表示」など、役割に応じた設定が可能です。

こうした機能を活用すれば、「見やすく」「ミスが起きず」「更新もしやすい」シートが作れるようになります。

業務効率化に役立つエクセルの無料テンプレート5選

「便利な機能があるのはわかったけど、ゼロから作るのは大変…」という方も安心してください。エクセルには無料で使える業務テンプレートが数多く存在します。ここでは、業務の現場ですぐに使える実用的なテンプレートを5つ厳選して紹介します。

テンプレート名主な機能活用シーン特徴
勤怠管理シート出退勤・休憩・残業時間の自動計算勤怠記録/労働時間集計自動計算式つきで手作業不要
タスク・進捗管理表チェックボックス、進捗ごとの色分けチームのタスク管理見える化+共有で進捗把握がスムーズ
月次報告書フォーマット自動日付入力、整ったレイアウト月末報告/上司提出用書式調整不要、すぐ使える定型書式
顧客管理リスト顧客情報の一覧管理、検索・フィルター機能営業・カスタマーサポート業務担当者複数でも整合性を保って運用可能
在庫・発注管理シート在庫数に応じて警告表示、発注履歴記録小売/製造/倉庫の在庫管理在庫不足を見える化して機会損失を防止

1. 勤怠管理シート(自動計算つき)

出勤・退勤時刻を入力するだけで、労働時間・残業時間・休憩時間を自動計算してくれるテンプレートです。社員やアルバイトの勤怠状況を手作業で集計する必要がなくなり、確認作業もスムーズに行えます。

2. タスク・進捗管理表(色分け+チェック機能)

担当者、期限、進捗状況を入力するだけで、条件付き書式で「期限切れ」や「完了済み」が一目でわかる表です。
チェックボックスや色分けにより、タスクの抜け漏れを防ぎ、チーム全体の進捗管理も簡単にできます。

3. 月次報告書フォーマット(自動日付・整形済)

報告のたびにレイアウトを整える手間がなく、記入項目もあらかじめ整理されたテンプレートです。日付や担当者名が自動入力されるように設定されており、すぐに提出できる状態に整っています。

4. 顧客管理リスト(一覧+検索性を向上)

顧客名・連絡先・対応履歴などを一覧で管理でき、フィルターや並び替え機能があらかじめ組み込まれたテンプレートです。
複数の担当者で共有しても、検索性や整合性を保ったまま運用できるように設計されています。

5. 在庫・発注管理シート(自動集計+警告色つき)

在庫数が一定数を下回ったら自動で色が変わるなど、在庫管理にありがちな見落としを防ぐ仕組みが組み込まれています。
発注履歴や在庫推移の記録もでき、発注のタイミングや在庫不足の事前察知が容易になります。

これらのテンプレートは、「自分で一から作る必要がない」「すぐに使える」ことが最大のメリットです。テンプレートはテンプレートBANK がおすすめです!ビジネスや日常業務で使える無料のExcel・Word・PowerPointテンプレートが揃っています。

エクセルで叶う!業務の効率化を成功させるための3ステップ

エクセルの機能やテンプレートを活用するだけでも、業務は大幅に効率化できます。

しかし、それを“一時的な改善”で終わらせず、”持続的な効果”にするには、導入の順序と工夫が重要です。

ここでは、業務効率化をうまく定着させるための3ステップを紹介します。

業務効率化Step1|ムダが発生している業務を洗い出す

まずは「どこにムダがあるのか」を可視化することから始めます。日々の作業の中で、次のようなポイントを洗い出してみましょう。

  • 同じ操作を何度もしている作業
  • 手書きや紙ベースの記録
  • 情報を探すのに時間がかかる場面

これを整理するには、「業務分解図」の活用がおすすめです。業務を工程ごとに分解していくことで、非効率な作業や自動化できる部分が明確になります。

業務効率化Step2|Excelで「省力化・見える化」できる作業を特定する

業務分解図をもとに、エクセルで効率化できそうなポイントを見つけましょう。具体的には以下のような判断軸があります。

業務のタイプExcelで使える主な機能効果
数値の集計SUMIF、テーブル機能自動集計で手作業不要に
情報の参照VLOOKUP、XLOOKUP別表との照合・整合性アップ
進捗管理チェックボックス、条件付き書式タスク漏れ防止、視認性向上
入力作業入力規則、ドロップダウン入力ミス削減、統一された表記

やみくもにすべて自動化しようとせず、「手間が大きいがルール化しやすい作業」から手をつけるのがコツです。

業務効率化Step3|テンプレートや関数をチームで統一運用する

業務効率化は一人だけの工夫では意味がありません。作成したテンプレートや設定済みの関数は、チーム全体で共有・統一運用することで、初めて組織的な業務改善に繋がります。

  • テンプレートを共有フォルダにまとめて保存
  • 操作ルールやマニュアルを簡単に整備
  • 週1回などの頻度で活用状況を見直す

このように「誰が使っても同じ結果が出る仕組み」を整えることで、業務の属人化を防ぎ、継続的な改善が実現できます。

今日からできる!エクセルの基本機能だけで業務をスマートに

業務効率化というと、「専門知識が必要」「新しいツールの導入が大変」と感じる方も少なくありません。しかし、本記事でご紹介した通り、エクセルの基本機能だけでも、ムダな作業や人的ミスは大幅に削減できます。

いきなり完璧を目指す必要はありません。まずは一つの関数、一つのテンプレートから取り入れてみてください。そして、チーム全体での統一運用を意識すれば、継続的な改善へとつなげていくことができます。今日からエクセルの基本機能で、スマートな業務運用を始めましょう!

業務効率化ならmayclassにおまかせください

エクセルの活用をはじめとした業務効率化は、ちょっとした工夫やツールの導入で驚くほど成果が出ます。
でも、「どこから着手すればいいかわからない」「チーム全体に定着させるのが難しい」と感じることもあるはずです。

そんなときは、業務改善のプロフェッショナル mayclass(メイクラス)にご相談ください。
業務フローの見直しから、ツール導入支援、マニュアル整備、研修設計まで、現場に即したサポートをご提供しています。

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