分かりやすい議事録を作成するには、書き方のコツを押さえるだけでなく、会議前の準備から作成後の共有まで、全体のプロセスを効率化することが重要です。
この記事では、議事録の基本的な書き方から、誰が読んでも理解しやすいまとめ方のポイント、さらには作成時間を短縮するための具体的なステップまでを解説します。

目次(開く場合はクリック)

そもそも議事録とは?目的と重要性を再確認しよう

議事録とは、会議で話し合われた内容や決定事項を記録した文書です。
その基本となる目的は、単なる備忘録にとどまりません。
会議の内容を関係者間で正確に共有し、認識のズレを防ぐとともに、決定事項や発生したタスクを明確にすることで、その後の業務を円滑に進めるという重要な役割を担っています。

議事録に必ず含めるべき8つの基本項目

議事録には、誰が読んでも会議の概要と結果が正確に伝わるように、記載すべき基本項目があります。
これらの項目を毎回同じ形式で記録することで、情報の抜け漏れを防ぎ、議事録の品質を安定させられます。
どのような会議の議事録でも、これから紹介する8つの項目は必ず含めるようにしましょう。

会議の基本情報(会議名・日時・場所)

議事録の冒頭には、その文書が「いつ」「どこで」「何の目的で」行われた会議の記録なのかを明確にするための基本情報を記載します。
具体的には、会議の正式名称、開催された年月日と開始・終了時刻、そして開催場所を明記します。
オンラインでの打ち合わせの場合は、使用したツール名などを記載すると分かりやすいです。

出席者と欠席者の氏名

会議に誰が参加したのかを記録するために、出席者と欠席者の氏名を記載します。
部署名や役職も併記するのが一般的ですが、社内のルールに合わせて調整してください。
この項目によって、その会議での決定事項に誰が関与し、誰が情報を共有されるべきなのかが明確になります。

参加者の敬称は「様」や「さん」付け、あるいは役職名にするなど、組織の文化に合わせて統一します。

今回の会議の議題(アジェンダ)

会議で話し合われたテーマや議題を記載します。
通常は、会議の開催前に共有されるアジェンダをそのまま転記すれば問題ありません。
議題を明記することで、議事録を読む人が会議の目的や議論の流れをスムーズに理解できるようになります。

議題ごとにセクションを分けて議論の内容を記述すると、さらに構成が分かりやすくなります。

共有された情報や議論の内容

各議題に対して、どのような議論が交わされたのかを記録します。
ただし、全ての発言を文字起こしのように記述する必要はありません。
決定に至った背景や理由、主要な意見、提案されたアイデアなど、後から読み返して議論の要点が理解できるようにまとめます。

客観的な事実に基づいて、簡潔に記載することが重要です。

会議で決まった決定事項

議事録の中で最も重要な項目です。
会議の結果として「何が」「どのように」決まったのかを、誰が読んでも一目で理解できるように明確に記載します。
箇条書きを用いるなどして、他の情報と区別し、目立たせる工夫をすると効果的です。

結論から先に書くことを意識すると、要点が伝わりやすくなります。

誰がいつまでに何をするか(ToDoリスト)

会議での決定事項に基づき、今後発生するタスクを具体的に記載します。
この項目では、「誰が(担当者)」「いつまでに(期限)」「何をするか(作業内容)」の3点をセットで明記することが不可欠です。
これにより、タスクの担当者や期限が曖昧になることを防ぎ、行動の抜け漏れがなくなり、計画の実行性が高まります。

保留事項や次回への申し送り事項

今回の会議では結論が出なかったものの、引き続き検討が必要な「保留事項」や、次回の会議で議題とすべき「申し送り事項」を記録します。
その他、参加者への連絡事項などもこの項目にまとめます。
課題を放置せず、継続して議論するために重要な役割を果たします。

議事録の作成者と配布先

議事録の末尾には、誰がこの文書を作成したのかを示す「作成者名」と、この議事録が誰に共有されるべきかを示す「配布先」を明記します。
配布先には、会議の出席者や欠席者のほか、報告が必要な上司や関連部署、クライアントなども含めます。
これにより、責任の所在と情報共有の範囲が明確になります。

【品質向上】誰が読んでも分かりやすい議事録作成の7つのコツ

議事録は、ただ情報を羅列するだけでは、分かりやすい記録とは言えません。
後から誰が読んでも会議の内容や決定事項を正確に理解できるよう、情報の整理方法や表現に工夫が求められます。
ここでは、議事録の品質を向上させ、要点を明確にするための7つのコツを紹介します。

わかりやすい議事録は、チームの生産性を高める上でも役立ちます。

議事録作成のコツ①:5W1Hを意識して具体的に記述する

議事録の内容が曖昧にならないよう、「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」という5W1Hのフレームワークを意識して記述します。
特に決定事項やToDoリストを記載する際は、この要素を盛り込むことで、後日の確認時に誤解が生じるのを防ぎます。
矢印や適切な句読点を用いて、文章を構造的に見せることも有効です。

議事録作成のコツ②:決定事項と個人の意見は明確に分けて書く

会議での公式な「決定事項」と、議論の過程で出た「個人の意見・感想」は、明確に区別して記載するルールを設けましょう。
例えば、「【決定事項】」「【意見】」といった見出しを付けることで、読者は何が確定した情報で、何が検討段階のアイデアなのかを容易に判別できます。

これにより、議事録の客観性と信頼性が高まります。

議事録作成のコツ③:箇条書きを活用して要点を構造化する

長い文章で説明が続くと、要点が掴みにくくなります。
議論のポイント、複数の決定事項、ToDoリストなどは、積極的に箇条書きを用いて整理しましょう。
情報を項目ごとに短くまとめることで、視覚的に分かりやすくなり、内容の理解を助けます。

議事録全体を簡潔に要約する効果も期待でき、忙しい人が短時間で概要を把握するのに役立ちます。

議事録作成のコツ④:「こそあど言葉」を使わず具体的な名詞で表現する

「これ」「それ」「あれ」「どの」といった指示代名詞(こそあど言葉)は、文脈が分からないと何を指しているのか不明確になりがちです。
後から議事録を読み返した際に誤解を招く原因となるため、使用は避けましょう。
「その件」ではなく「〇〇プロジェクトの予算について」のように、面倒でも具体的な名詞や固有名詞を使って記述することが重要です。

これにより、誰がいつ読んでも内容を正確に理解できる記録となります。

議事録作成のコツ⑤:発言者が誰なのかを明確に記載する

議論の内容を記録する際には、誰の発言なのかを明確にすることが重要です。
特に、重要な提案や確認、承認の発言があった場合は、「〇〇部長:」のように発言者の氏名や役職を記載します。
これにより、発言の背景や責任の所在が明らかになり、後から議論の経緯を振り返る際に役立ちます。

ただし、すべての発言で記載する必要はなく、要点となる部分に絞って適用します。

議事録作成のコツ⑥:数字やデータは正確に記録する

会議で提示される売上目標、予算、スケジュール、人員数などの数字やデータは、プロジェクトの進行に直接影響を与える重要な情報です。
聞き間違いや記憶違いがないよう、細心の注意を払って正確に記録してください。
「はい、承知しました」という返事だけでなく、具体的な数値を復唱して確認する姿勢も大切です。

少しでも不確かな点があれば、会議中か終了直後に必ず確認しましょう。

議事録作成のコツ⑦:専門用語や社内用語には注釈を加える

議事録は、会議の出席者だけでなく、その分野に詳しくない他部署の人や、後からプロジェクトに参加した人が読む可能性もあります。
そのため、専門用語やアルファベットの略語、社内でのみ通用する言葉が出てきた場合は、簡単な注釈を付けるか、誰もが分かる平易な言葉に置き換える配慮が必要です。
関連資料への参考リンクを貼るのも親切な対応です。

【時短・効率化】議事録作成をスピードアップさせる3ステップ

議事録の作成に時間がかかりすぎるという悩みは、多くのビジネスパーソンが抱えています。
しかし、作業の進め方を「準備」「会議中」「会議後」の3つのステップに分け、それぞれの段階でポイントを押さえることで、作成時間を大幅に短縮することが可能です。
効率的なメモの取り方を身につけ、スピードアップを図りましょう。

議事録作成ステップ①:会議が始まる前の準備で8割決まる

議事録作成の効率は、会議が始まる前の準備段階でその大半が決まると言っても過言ではありません。
多くのビジネス研修やセミナーでも強調されるように、事前準備を徹底することで、会議中のメモの精度が上がり、会議後の清書作業をスムーズに進められます。
具体的には、アジェンダの確認とテンプレートの用意が鍵となります。

アジェンダを事前に確認し目的を把握する

会議の前に必ずアジェンダ(議題)に目を通し、その会議の目的、ゴール、そして議論のポイントを把握しておきましょう。
事前に内容を理解しておくことで、会議中にどの発言が重要で、何を重点的にメモすべきかの判断がつきやすくなります。
これにより、不要な情報を書き留める無駄がなくなり、質の高いメモを効率的に取ることが可能です。

記載項目のテンプレート(雛形)を用意しておく

議事録を毎回ゼロから作成するのは非効率です。
会議名や日時、出席者、議題といった基本項目をあらかじめ記載したテンプレートを用意しておきましょう。
ワードやスプレッドシートなどで一度フォーマットを作成すれば、次回からはそれをコピーして使えます。

会議中は空欄を埋めていくだけで済むため、清書の手間が大幅に削減されます。

議事録作成ステップ②:会議中のメモの取り方で後工程を楽にする

会議中のメモは、議事録の品質と作成スピードを左右する重要な作業です。
すべてを記録しようとするのではなく、後工程である清書作業が楽になるように、ポイントを絞って効率的に情報を記録することが求められます。
パソコンでの入力は修正が容易でスピーディですが、図や相関関係を素早く書き留めるには手書きも有効です。

自分に合った方法を選びましょう。

決定事項とToDoを最優先でメモする

会議中の議論のすべてを詳細にメモする必要はありません。
最も重要なのは、「何が決まったのか(決定事項)」と「次に何をすべきか(ToDo)」です。
これらの情報を最優先で、かつ明確に聞き取り、記録することに集中しましょう。

議論の過程は要点のみに留め、この2つの核心的な情報を確実に押さえることが、効率的で価値のある議事録作成につながります。

ICレコーダーや録音アプリを補助的に活用する

重要な会議で、発言の聞き逃しや数字の間違いが許されない場合には、ICレコーダーやスマートフォンの録音アプリを補助的に活用すると安心です。
ただし、無断での録音はマナー違反となるため、必ず会議の開始前に参加者全員の許可を得るようにしてください。
あくまでメモを補完する目的で使い、後から聞き直す手間を最小限に抑えるのが賢明です。

議事録作成ステップ③:会議後は記憶が新しいうちに清書・共有する

会議が終わったら、できるだけ時間を置かずに議事録の清書と共有に取り掛かることが重要です。
時間が経つと記憶が曖昧になり、メモの内容を正確に思い出せなくなったり、確認に余計な時間がかかったりします。
理事会のような公式な会議であっても、迅速な情報共有は次のアクションをスムーズに進めるための基本です。

当日中の早いタイミングで共有する習慣をつける

議事録は、会議後24時間以内、できれば当日中に作成して共有するのがビジネスマナーとされています。
記憶が鮮明なうちに清書作業を行うことで、内容の正確性が高まるだけでなく、作成時間そのものも短縮できます。
日々の業務に組み込み、迅速な共有を習慣づけることで、関係者間の認識のズレを防ぎ、業務全体のスピードアップにも貢献します。

共有前に関係者に内容のレビューを依頼する

議事録を全体に共有する前に、内容に間違いがないか、主要な出席者(上司や会議の主催者など)に確認を依頼することをお勧めします。
特に、契約に関わる決定事項や予算などの重要な数字が含まれる場合は、このレビュープロセスが不可欠です。
第三者の視点でチェックしてもらうことで、自分では気づかなかった記載漏れや認識の齟齬を防ぎ、議事録の正確性を担保できます。

もっと楽に!議事録作成を効率化する便利ツール

近年、議事録作成の負担を大幅に軽減してくれる便利なツールが数多く登場しています。
手作業にこだわらず、テンプレートやAIなどのテクノロジーを積極的に活用することで、作成時間を短縮し、より質の高い議事録を効率的に作成できます。
目的に合ったツールを選び、日々の業務に取り入れてみましょう。

Web上には参考になるサンプルも豊富にあります。

そのまま使える議事録テンプレート・フォーマットの活用

インターネット上には、無料でダウンロードしてすぐに使える議事録のテンプレートが多数公開されています。
基本的な項目が網羅されたフォーマットを利用すれば、一から構成を考える手間が省けます。
特定の目的に特化した例文も豊富にあるため、自社の運用スタイルに合わせて最適なものを選び、カスタマイズして活用することで、誰でも簡単に見やすい議事録を作成可能です。

AIによる自動文字起こし・要約ツールの活用

AI技術の進化により、議事録作成は劇的に効率化されています。
会議の録音データをアップロードするだけで、AIが自動で文字起こしを行い、テキスト化してくれるツールが人気です。
さらに、話者分離機能や、長文の議論から要点を自動で抽出・要約してくれる機能を備えたサービスも登場しており、清書にかかる時間を大幅に削減できます。

議事録の書き方に関するよくある質問

ここでは、議事録の作成に関して寄せられることの多い質問とその回答を紹介します。
議事録作成の初心者や、スキルアップを目指す方が抱えやすい疑問点を解消するためのヒントをまとめました。

議事録はどの程度の詳細さで書けばいいですか?

会議の「決定事項」「ToDo」「議論の要点」の3点が分かれば十分です。
全ての発言を一字一句記録する文字起こしは不要で、後から読んだ人が会議の結論とそこに至るまでの経緯を簡潔に理解できるレベルの詳細さが求められます。

上司から「要点が分からない」と指摘されます。どう改善すれば良いですか?

まず結論である「決定事項」を議事録の冒頭に書き、その後に議論の経緯を簡潔に記載する構成を試してください。
箇条書きを積極的に活用して情報を整理し、視覚的に分かりやすくすることも、要点を明確にする上で非常に効果的です。

議事録を早く作成して共有する秘訣はありますか?

会議が始まる前にテンプレートを準備し、会議中は「決定事項」と「ToDo」を中心にメモを取ることです。
そして、最も重要なのは、会議が終わったら記憶が新しいうちにすぐ清書に取り掛かる習慣をつけることです。
これが最も効果的です。

書き方のコツを学んで議事録を作成しよう

分かりやすく、かつ効率的に議事録を作成するためには、単に書くスキルだけでなく、会議前の「準備」、会議中の「メモ」、会議後の「清書・共有」という一連のプロセス全体を意識することが重要です。
本記事で紹介した基本項目や作成のコツ、効率化のステップを実践し、議事録をチームのコミュニケーションと生産性を高めるための有効なツールとして活用してください。
まとめとして、正確な記録は組織の貴重な財産となります。

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