スマホユーザーの多くが日常的に使うLINEに、いま注目を集めるAI機能「LINE AI機能」が追加されました。文章の作成や画像生成、トークの自動返信提案まで、これまでのLINEにはなかった便利な機能が続々と導入されています。
LINE AIには大きく分けて2つのサービスがあり、ひとつは質問応答や画像生成ができる「LINE AI」、もうひとつは会話の流れに沿って返信文やスタンプを自動で提案してくれる「LINE AIトークサジェスト」です。
こうした機能をうまく活用すれば、友人や家族とのちょっとしたやり取りから、ビジネスでの効率的なコミュニケーションまで幅広くサポートしてくれます。 一方で、利用回数の制限や個人情報の扱いなど注意点もあるため、正しい知識を持って使いこなすことが大切です。
本記事では、LINE AI機能とは何か、それぞれの特徴や使い方を解説します。
LINE AI機能の概要
LINEに生成AIが搭載された背景と、実際に利用できる主要サービスについて解説します。
LINEに生成AIが搭載された背景
LINEが生成AIを搭載したのは、日常生活だけでなくビジネスや学習、情報収集まで幅広く活用できる新しいプラットフォームを目指す戦略の一環です。
背景には、国内で圧倒的なユーザー数を持つLINEだからこそ「普段使うアプリの中でAIを体験できる環境を整える」といった狙いがあります。わざわざ別のアプリを立ち上げる必要がなく、トーク画面やホーム画面から直接AIを使える点も特長です。
近年はChatGPTをはじめとするAIチャットサービスが急速に普及し、文章作成や画像生成が誰でも簡単に行えるようになりました。こうした生成AIの進化を受け、LINEにも生成AIが導入されました。
提供される主なサービス(LINE AI・LINE AIトークサジェスト)
LINE AI機能で提供される主なサービスは、LINE AIとLINE AIトークサジェストです。
LINE AIは、チャット形式でAIと直接やり取りできるサービスです。以下の機能が備わっています。
- 質問に答えてくれる
- 画像をアップロードして内容を分析する
- テキストから新しい画像を生成する「AIキャンバス」
日常の疑問解決やクリエイティブな発想に役立ちます。
一方、LINE AIトークサジェストは普段のトーク画面にAIを組み込み、以下の機能を通して会話をサポートします。
- 相手からのメッセージに対して、短め・長め・丁寧など複数の返信文を提案する
- トークの内容に合ったスタンプを自動で提示する
- 文章の口調をフォーマルやカジュアル、「ねこ語」に変換する
LINE AIは単独でAIとやり取りするサービス、LINE AIトークサジェストは日常のトークを補助するサービスという違いを覚えておきましょう。
「LINE AI」の特徴と使い方
LINE AIは、LINEアプリ上で直接AIとやり取りできるサービスです。ここでは、LINE AIの具体的な特徴と使い方を紹介します。
AIテキスト(質問応答・画像分析)
AIテキスト機能では、ユーザーが入力した質問に対してAIがわかりやすく答えてくれます。
たとえば「週末に行ける東京の観光スポットを教えて」と聞けば、おすすめの場所や特徴を提示してくれます。ほかにも英語の例文を調べたり、ニュースの要約をしたりといったこともできます。
さらに、画像をアップロードして内容を分析する機能も試せます。「料理の写真から食材や特徴を推測する」「風景写真から関連する情報を提示する」といった使い方が想定されています。
ただし、必ず正確に判別できるわけではないため、参考程度に活用しましょう。
AIキャンバス(画像生成)
AIキャンバスは、入力したテキストをもとにオリジナルの画像を生成してくれる機能です。
たとえば「夏祭りの夜景をイラスト風に描いて」と指示すると、AIが条件に合った画像を作成してくれます。SNSの投稿や企画書のイメージ作成の参考にするなど、クリエイティブな用途に活用できます。
ただし、生成された画像の著作権や商用利用の扱いには注意が必要で、利用目的に応じた確認が欠かせません。
利用方法(LINEホーム画面からアクセス、利用制限あり)
LINEアプリのホーム画面にある「LINE AI」をタップすれば、すぐにチャット形式で利用できます。ただし現時点(2025年10月時点)では試験提供の段階であり、利用回数に制限が設けられています。短時間で繰り返し利用したい場合は制限に達することもあるため、効率的に使う工夫が必要です。
また、一部のユーザーから順次提供されているため、環境によっては「まだ利用できない」というケースもあります。今後の正式リリースに向けて、機能拡充や利用範囲の拡大が期待されています。
「LINE AIトークサジェスト」の特徴と使い方

LINE AIトークサジェストは、普段のトーク画面にAIを組み込み、スムーズなコミュニケーションをサポートしてくれる機能です。相手からメッセージが届いたときに自動で返信候補やスタンプを提示してくれるため、ちょっとしたやり取りがより快適になります。
ここからは、具体的な特徴を見ていきましょう。
返信提案(短め・長め・丁寧表現など)
相手から業務連絡や依頼が届いたとき、AIが複数の返信文を提示してくれます。たとえば「明日の打ち合わせ資料、今日中に送れますか?」というメッセージに対しては、次のようなパターンで返信文を作成してくれます。
- 「承知しました。本日中に送付します」(フォーマル・短め)
- 「かしこまりました。本日の18時までに資料をお送りしますので、ご確認をお願いいたします」(丁寧・長め)
- 「了解です!今日中に送りますね」(フランク・同僚向け)
状況や相手との関係性に合わせて選べるため、返信を考える手間が減り、スピーディに会話が進みます。
スタンプ提案(トーク内容に合ったスタンプ)
ビジネスチャットでもスタンプは便利です。たとえば「資料ありがとうございます」と送られたときに、感謝を伝えるスタンプが自動で候補に出るので、形式ばらずに気持ちをスピーディに返せます。
上司とのやり取りには控えめなスタンプ、チーム内ではフランクなスタンプを使い分けると、業務連絡に柔らかさを加えることが可能です。
口調変換(フォーマル・ため口・ねこ語など)
同じメッセージでも、口調を変換して提案できるのがLINE AIトークサジェストの特徴です。たとえば「明日の会議は10時からです」という通知も次のように使い分けられます。
変換仕様 | 文章例 |
フォーマル(取引先向け) | 「明日の会議は10時からとなります。ご確認ください」 |
カジュアル(チーム内向け) | 「明日の会議は10時スタートです!」 |
ねこ語(遊び心・仲の良い同僚向け) | 「明日の会議は10時からにゃ!よろしくにゃん!」 |
業務ではフォーマルやカジュアルを活用し、リラックスした社内コミュニケーションでは「ねこ語」のようなユーモアを取り入れることで、やり取りに柔らかさも加わるでしょう。
LINE AI機能でできること【便利な活用法】
LINE AI機能はただの会話アプリの拡張にとどまらず、日常生活からビジネス、学習や創作活動まで幅広いシーンで活躍できる新しいサポートツールです。
ここでは、LINE AIの代表的な活用法を紹介します。
LINE AIを活用した日常生活のサポート
日々の暮らしの中で「ちょっと知りたい」「すぐ調べたい」と思う瞬間に役立ちます。
たとえば、冷蔵庫にある食材を入力して「この材料で作れる夕食のレシピを教えて」と聞けば、AIが献立候補を提案してくれます。旅行計画では「週末に子どもと行ける関東近郊のおすすめスポット」と入力すれば、条件に合った候補をリスト化してくれるため便利です。
さらに、写真をアップロードして「この花の名前は?」といった画像分析も可能です。ちょっとした疑問や生活の工夫をサポートしてくれる、便利な身近なアシスタントとして活用できます。
ビジネス効率化(文章作成・コミュニケーション支援)
社内外でのやり取りにおいて、返信文を即座に提案してくれる「LINE AIトークサジェスト」は特に便利です。たとえば取引先や上司への依頼や確認メッセージで「丁寧な表現」を選べば、失礼のない文章をすぐに整えることができます。
また、社内チャットでは「短め」や「カジュアル」な返信に切り替えることで、無駄のないスピード感あるやり取りが実現します。さらに「プレゼン用のキャッチコピーを考えてほしい」と入力すれば複数の案を提示してくれるため、企画や提案資料のブラッシュアップにも役立ちます。
文章作成の効率化やトーン調整をAIが担うため、業務の質とスピードを両立できるのが大きな魅力です。
学習・クリエイティブ利用
学習や自己表現の分野でもLINE AIは頼れる存在です。英語のフレーズを質問して発音例を確認したり、歴史上の出来事について簡単に解説してもらったりと、学習の補助ツールとして活用できます。
また、AIキャンバスで「未来都市をイラスト風に描いて」と入力すればオリジナルの画像が生成されるため、アイデア出しや創作活動のインスピレーションにもつながります。学生やクリエイターにとっては、新しい学びや作品づくりを後押ししてくれるパートナーとなるでしょう。
LINE AI機能利用時の注意点
便利で実用的なLINE AI機能ですが、利用にあたっては知っておくべき注意点もあります。制限やリスクを理解して、安全かつ安心して活用しましょう。
LINE AI利用の回数と対象ユーザーに制限がある
2025年10月時点でのLINE AI機能は試験的な導入段階にあるため、利用回数に制限が設けられています。たとえば「1日に利用できる質問回数が限られている」といった制約があり、長時間連続で使いたいユーザーには不便に感じる場面もあるでしょう。
また、全ユーザーが一斉に利用できるわけではなく、対象が段階的に拡大されている状況です。アプリを更新しても「LINE AIが表示されない」というケースは、この対象外である可能性があります。
今後は正式リリースに向けて利用枠が広がると予想されますが、現状では制限があることを理解しておきましょう。
個人情報や社外秘データ・著作物は入力しない
AIとのやり取りでは、入力した情報が学習や検証に利用される可能性があります。そのため、個人情報や社外秘の業務データなど、公開されては困る情報は入力してはいけません。
また、画像生成や文章作成においては著作権の扱いにも注意が必要です。AIが生成したコンテンツをそのまま商用利用すると、他者の著作物に類似してトラブルとなるケースも考えられます。利用目的に応じて適切な確認を行い、安全な範囲で活用することが求められます。
LINE AI機能とは日常とビジネスを支える新しいコミュニケーションAI
LINE AI機能とは、単なるチャットサポートにとどまらず、私たちの日常生活やビジネスを幅広く支える次世代のコミュニケーションツールです。
質問応答や画像生成ができるLINE AI、トーク画面で返信文やスタンプを提案してくれるLINE AIトークサジェストを使い分けることで、個人の暮らしから仕事の現場までスムーズなやり取りが可能になります。
現時点では試験導入のため利用回数や対象が限られていますが、今後は正式版としてさらに機能が拡充される見込みです。生活の小さな疑問解決から、業務における文章作成の効率化、学習やクリエイティブ活動の支援まで、さまざまなシーンで活用シーンしましょう。
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