「社内マニュアルを整えたいけれど、WordやPowerPointでは見づらくなってしまう」「もっと見やすくて、伝わりやすいマニュアルを作りたい」そんな悩みがあるという方にぜひ活用して欲しいのが、無料で使えるオンラインデザインツール「Canva(キャンバ)」です。
Canvaは専門的なデザイン知識がなくても、テンプレートを活用して誰でも簡単に整ったマニュアルを作ることができるツールです。さらにチームで共有・編集できるので、更新や改訂もスムーズに行うことができます。
この記事では、Canvaがなぜマニュアル作成に適しているのか、Canvaを使ったマニュアル作成の手順、デザインのコツ、実際の活用シーン、そして業務効率化につながるポイントについても解説します。社内の情報共有をスムーズにしたい方、マニュアル整備を効率化したい方は必見です。
なぜCanvaでマニュアル作成がおすすめなのか
マニュアル作成というと、PowerPointやWordを使うのが一般的ですが、デザインの統一や見やすさを維持するのは意外と手間がかかります。Canvaなら、豊富なテンプレートと直感的な操作で、初心者でもプロ並みの見やすい資料が作成できます。特別なデザインスキルがなくても、社内共有にふさわしいクオリティのマニュアルを効率よく作れるのが魅力です。
Canvaとは?(オンラインで使える無料デザインツール)
「Canva」(https://www.canva.com/ja_jp/)は、ブラウザやスマートフォンで利用できるオンラインで使えるデザイン作成ツールです。会員登録は無料で、登録すれば誰でも、豊富なテンプレートを使って、資料・チラシ・プレゼン資料などを直感的に作成できます。一部機能やサービスを利用する場合は有料になりますが、多くの基本的な機能は追加料金なしで十分に使う事ができます。
最大の特徴は、「デザインの知識がなくてもすぐに使える」という点。ドラッグ&ドロップといった簡単な操作だけで要素を配置でき、文字や画像の編集もクリック一つで行えます。まるでWordやPowerPointのような操作感で、デザインツール特有の難しさを感じません。
マニュアルを作成しようとする際に、多くの人が「時間がかかる」「見た目が整わない」といった悩みにあたります。Canvaを活用することで、誰もが短時間で見やすく統一感のある資料を作成でき、社内のナレッジ共有の質が大きく向上されることができるのです。
専門ソフト不要で誰でも使える手軽さ
これまで、マニュアルをはじめとしたデザインを整えるためには、IllustratorやInDesignなどの専門ソフトが必要でした。しかしこれらのツールは操作が難しく知識やスキルがないとなかなか使いこなすことができず、さらにライセンス費用も高額です。その点、Canvaであれば無料プランでも十分な機能を備えており、専門ソフトを使わなくても本格的なマニュアルを作成できます。
たとえば、テンプレートを選んで、テキストや画像を差し替えるだけで、完成度の高い資料がすぐに作成できます。しかもチームで同時に編集できるため、修正や校正の工数も大幅に削減できます。
実際に中小企業やスタートアップ企業などではCanvaを導入することで「外注せずに社内デザインを完結できる」「誰でもマニュアルを更新できるようになった」という声が増えています。
テンプレートや素材が豊富で、わかりやすいマニュアルを作りやすい
Canvaには、業務マニュアルや操作手順書に適したテンプレートが数多く用意されています。シンプルで読みやすいレイアウトから、図解入りのわかりやすい構成まで、用途に応じて選ぶことができます。
また、無料で使える写真・イラスト・アイコン素材も何千点と揃っており、文章だけでは伝わりにくい内容を視覚的に補うことができます。システム操作手順のマニュアルであればパソコンやスマホのアイコンを使って流れを示したり、注意点を赤い吹き出しで強調したりすることで、読む人がひと目で理解できます。
さらに、Canva Pro(有料版)ではブランドキット機能を使って、自社のロゴ・色・フォントを統一して管理することもできます。こうすることで、複数の社員が編集してもデザインがばらつかず、統一感のある社内資料を維持できます。
Canvaを使ったマニュアル作成の基本手順
Canvaでマニュアルを作る際は、まずアカウント登録から始まり、テンプレート選択、内容編集、仕上げの共有と、一連の流れが非常にシンプルです。デザインツールに不慣れな方でも、ステップに沿って進めるだけで完成度の高いマニュアルを作成できます。
Canvaのマニュアル作成手順①:アカウントを作成する

まずはCanvaの公式サイト(https://www.canva.com/ja_jp/)にアクセスし、無料アカウントを作成します。GoogleやMicrosoftアカウントでも簡単に登録でき、すぐに作業を始められます。
無料プランでも多くのテンプレートが利用可能ですが、Proプランにアップグレードすれば、より多くのデザイン素材や便利な共有機能を利用することができます。企業で継続的にマニュアルを整備する場合には、Proプランの利用がおすすめです。
Canvaのマニュアル作成手順②:テンプレートを選ぶ

次に、Canvaのホーム画面で「マニュアル」「手順書」「業務説明」などのキーワードを検索します。豊富なテンプレートの中から、自社の雰囲気や目的に合うものを選びましょう。
ポイントは、「情報量」「ページ数」「トーン」の3つです。
たとえば、社内向けの手順書なら落ち着いた色調のテンプレート、外部配布用のマニュアルなら企業カラーを取り入れたデザインを選ぶと効果的です。
Canvaのマニュアル作成手順③:テキスト・画像を挿入してカスタマイズ

テンプレートが決まったら、自社の内容に合わせてテキストを差し替えます。業務の流れや操作手順は、短い文と具体的な動作で説明すると理解されやすいです。
スクリーンショットや図解を挿入する場合は、「アップロード」タブから画像を追加できます。画像の角を丸くしたり、枠線を付けたりといった加工もCanva上で簡単に行えます。
カスタマイズする際のポイントは、「視線の流れを意識する」ことです。左から右、上から下に自然に読めるよう配置することで、読みやすさが格段に上がります。
Canvaのマニュアル作成手順④:ページ構成を整理し、視覚的にわかりやすくする
マニュアルは情報を順序立てて配置することが重要です。そのため、 1ページに1つのテーマを設定し、見出しで要点をまとめます。章ごとに背景色を変えるなどの工夫を加えると、読者がどの項目を読んでいるかを把握しやすくなります。
また、Canvaではページの順序をドラッグ操作で簡単に入れ替えられるため、作業の途中で構成を見直すのも簡単です。特にチームで編集する場合、後から誰が見ても理解できる構成を意識しましょう。
Canvaのマニュアル作成手順⑤:PDFや共有リンクで配布する

完成したら、「共有」ボタンからPDFとしてダウンロードするか、クラウド上の共有リンクを発行します。リンクを使えば、メールやチャットツールで簡単に社内共有も可能です。
また、Canvaの共同編集機能を使えば、複数人で同時にマニュアルを更新できます。これによって、「古いバージョンが残っていた」「更新漏れが発生した」といったトラブルを防ぐことができます。
Canvaで作るマニュアルのデザインポイント
マニュアル作成では「内容の正確さ」と同じくらい、「見やすさ」や「理解のしやすさ」が重要です。どんなに詳しい説明でも、文字が詰まりすぎ、情報の優先順位が整理されていなければ、読む手は理解しづらくなります。Canvaを使えば、デザイン面の工夫を手軽に実現できます。
ここでは、Canvaでマニュアルをデザインする際に意識すべきポイントを具体的に紹介します。
まずは業務を洗い出す
Canvaでデザインする前に、業務を全て洗い出しましょう。デザインし始めてから内容を決めようとすると必ず手戻りが発生します。マニュアル作成を長年行っている私たちライターも、必ず、業務を全て洗い出し、構成などある程度固まった上でマニュアルへの落とし込み、デザインを行います。
業務の洗い出し方は、業務の洗い出し方を徹底解説!効率化につながる手順と業務分解図の活用法をご確認ください!
フォントや色を統一して読みやすくする
まず大切なのは「見た目の一貫性」です。フォントや色がページごとにバラバラだと、資料全体の印象が散漫になります。Canvaでは、ページ全体のフォントやカラーをまとめて変更できるため、統一感を簡単に出せます。
たとえば、本文には「Noto Sans」や「M PLUS 1p」などのシンプルな日本語フォントを使い、見出しには太めのフォントを設定すると読みやすくなります。色も企業ロゴに合わせて3色以内に抑えると、落ち着いた印象になります。
有料プラン(Canva Pro)では「ブランドキット」という機能があり、ロゴ・色・フォントをあらかじめ登録しておくと、全てのマニュアルに同じデザインを自動で適用できます。これは、社内で複数人がマニュアルを作成する場合に特に有効です。
図解・アイコンを活用して視覚的に理解しやすくする
マニュアルの目的は、「そのマニュアルを見た人誰もが、同じように理解できること」です。そのためには、テキストだけでなく、図解やアイコンを活用すると効果的です。Canvaには数十万点以上の無料アイコン素材があり、「矢印」「チェック」「手順番号」などを簡単に挿入できます。
たとえば、操作手順を説明する場合には「ステップ①」→「ステップ②」→「ステップ③」 と矢印で流れをつなぐだけで、読む人は自然に順序を理解できます。
注意点や警告には「⚠️」マークを使う、完了部分には「✔️」を入れるなど、視覚的なサインをつけることで情報が記憶に残りやすくなります。
特にCanvaはレイヤー機能がわかりやすく、アイコンや図形を重ねても整列ツールで自動的にきれいに揃うため、デザイン初心者でも見栄えの良い図解が簡単に作れます。
1ページに情報を詰め込みすぎない
多くのマニュアルで見られる問題点が「1ページに情報を詰めすぎる」ことです。Canvaではページ数の制限がないので、無理に詰め込む必要はありません。1ページにつき1テーマ、または1手順を心がけることで、読む人が迷わず理解できます。
あえて余白(ホワイトスペース)を意識して配置するのも大切です。余白があると情報が整理され、自然に見出しや重要箇所に目が向きます。特に、手順書の各ステップの間に少し余白を取るだけで全体の印象がすっきりします。
「配置」機能を使えば、ボックスや文字を均等に並べたり、中央揃えにしたりといった調整もワンクリックで行えます。手作業で揃える必要がないため、デザインに慣れていない人でも整ったマニュアルを作ることができます。
画像やスクリーンショットを効果的に使う
マニュアルでは「言葉よりも画像で伝える」方が理解が早い場面が多くあります。特に操作系マニュアルでは、実際の画面キャプチャやシステム画面のスクリーンショットを挿入すると効果的です。
Canvaでは画像をドラッグ&ドロップで配置でき、角を丸くしたり、影を付けたりといった加工も簡単にできます。画像に矢印や囲み線を加えることで、「どこをクリックするのか」「どの部分が重要なのか」を明確に示せます。
また、「透過」機能を使えば、背景を薄くして文字を上に重ねるなど、視認性の高いレイアウトを作成できます。これにより、見た目の美しさと実用性を両立させることが可能です。
ページ構成にリズムを持たせる
どれだけ内容が充実していても、単調なデザインが続くと飽きられてしまいます。Canvaではページごとに背景色やレイアウトを少し変えることで、視覚的なリズムを作り出せます。たとえば、章ごとに背景の色を変えたり、ステップの番号を大きく表示したりすることで、進捗を感じながら読み進められるようになるのです。
こうした小さな工夫が、結果的に「読まれるマニュアル」「使われるマニュアル」を生み出すのです。
Canvaを使ったマニュアル作成の活用シーン
Canvaで作成するマニュアルは、社内外のさまざまな用途で活躍します。見た目がわかりやすく統一された資料は、情報伝達の効率化にもつながります。ここでは、活用シーンごとの特徴とポイントを紹介します。
新入社員向け業務マニュアル
Canvaで作成するマニュアルは、新入社員教育の場面で特に効果を発揮します。従来のテキスト中心のマニュアルでは読みにくく、定着しにくいことも多いですが、Canvaを使えば図やアイコンを活かした「見てわかる」マニュアルを簡単に作成できます。
たとえば、会社紹介ページをビジュアル付きでまとめたり、日常業務の流れをフローチャートで表現したりすることで、読む側の理解がぐっと深まります。これにより、研修担当者の説明負担も軽くなり、教育の効率化にもつながります。
操作手順書やシステム利用ガイド
社内システムやツールの操作方法を説明する「操作マニュアル」や「利用ガイド」も、画面キャプチャを貼り付け、手順を番号付きで整理することで、誰が見ても迷わない構成にできます。
Canvaには「枠」や「吹き出し」といった素材が多く用意されており、説明の補足や注意点もわかりやすく伝えられます。そのため、マニュアル作成に不慣れな人でも、テンプレートを選んで流れに沿って入力するだけで、完成度の高い操作手順書を作ることができるでしょう。
商品・サービス利用マニュアル(外部配布用)
顧客向けの「製品マニュアル」や「サービス利用ガイド」も、Canvaで作ると見栄えの良い資料になります。特に、製品の使い方や導入手順を説明する場合、デザインの印象がブランドイメージに直結します。Canvaであれば自社カラーを活かしたビジュアル資料を作れるため、外部配布用としても信頼感を与えられます。
さらにCanva Proではブランドキット機能を使って、ロゴやカラーパレット、フォントを統一できます。複数の担当者が関わってもデザインの統一感を保ちながら、効果的なマニュアルを作ることができます。
Canvaとマニュアル作成の効率化の関係
Canvaは「見やすいマニュアルを作る」ためのツールですが、その本質的な価値は「業務効率化」にあります。マニュアル作成や更新の作業は、従来、時間がかかるうえに属人化しやすい業務ですが、Canvaの導入によって、誰でも編集できる仕組みを作り、チーム全体の生産性を高めることができます。
デザイン工数を削減できる
従来のマニュアル作成では、WordやPowerPointでレイアウトを整えるだけでも多くの時間がかかっていました。Canvaではテンプレートを利用し、要素をドラッグ&ドロップするだけで統一感のあるデザインが完成します。さらに、同じテンプレートを複製して使い回せるため、新しいマニュアルを作るときも短時間で仕上げることができます。これにより、作成工数が従来の半分以下になるというケースも珍しくありません。
属人化を防ぎ、誰でも編集可能
マニュアル整備でよくある問題が「作った本人しか更新できない」という属人化です。Canvaは、共有リンクを発行すればチーム全員がブラウザ上で同時編集できます。ファイルのバージョン管理も自動で行われるため、最新版のマニュアルを常に全員が確認できます。 担当者が異動、退職した場合でも、残されたメンバーが同じテンプレートで更新できるため、マニュアルの質を維持できます。こうした属人化防止の仕組みが、結果的に業務効率化を後押ししてくれます。
業務分解図などとの組み合わせでより体系的なマニュアルに発展
Canvaは、単なる「デザインツール」にとどまりません。業務の流れを図式化したり、部署ごとの業務分担を整理する「業務分解図」や「プロセスチャート」なども簡単に作成できます。
たとえば、マニュアルの冒頭に「全体フロー図」をCanvaで作成して掲載すれば、読む人は手順全体を俯瞰して理解できます。 さらに、各手順ページに「この工程はどの部署が担当するか」「どのシステムを使うか」をアイコンで示すことで、マニュアルが単なる操作説明書ではなく、「業務設計書」として機能するようになります。
Canvaを業務全体のナレッジ基盤として活用する
Canvaで作成したマニュアルは、社内ナレッジを集約するプラットフォームとしても活用できます。クラウド上に保存されるため、社員がどこからでもアクセス可能で、更新履歴も自動的に残ります。 新入社員の教育や部署間の情報共有にも活用でき、「作った資料をそのまま社内ポータルに掲載する」といった使い方もできます。これにより、マニュアル整備が“業務改善の文化”として根付くのです。
Canvaでマニュアル作成を成功させるコツ
Canvaで作成したマニュアルをより効果的に運用するためには、いくつか工夫が必要です。テンプレートの選び方やフォント・色のルール設定、チームでの編集体制の整え方など、事前に意識しておくことで制作の効率と品質が大きく変わります。社内マニュアル作成を成功させるための実践的なコツを紹介します。
簡単なテンプレートから始める
特に初めてCanvaを使う際は、最初から凝ったデザインを目指す必要はありません。まずは「マニュアル」「手順書」などのシンプルなテンプレートを選び、文章を入れ替えることから始めましょう。慣れてくると、配色の変更や画像追加など、自分なりのアレンジができるようになります。
社内で編集ルールを決める
マニュアルを複数人で作成する場合、フォント・色・アイコンの使い方といった編集ルールはあらかじめ決めておくことが大切です。フォントや色、アイコンの使い方を統一することで、資料全体に一貫性が生まれます。
これもフォントやカラーをチームで共有できる「ブランドキット」機能を活用すれば、誰が編集してもデザインの統一感を保てるため、マニュアル作成の品質が安定します。
更新しやすい仕組みを作る
マニュアルは一度作ったら終わりではなく、業務の変化に応じて定期的に更新する必要があります。Canvaのクラウド保存機能を使えば、常に最新データをオンライン上で共有でき、修正も簡単です。さらに共有リンクを発行すれば、特定のメンバーだけが編集できるように制限をかけることもできます。これにより、マニュアルの品質とセキュリティを両立しながら、継続的に運用できます。
Canvaでマニュアルを作成しよう!
Canvaは、デザイン未経験者でも使いやすく、短時間で見やすいマニュアルを作成できるツールです。直感的な操作と豊富なテンプレートが用意されているため、社内で統一感のある資料を誰でも作れます。
豊富なテンプレートで視覚的にわかりやすい資料を作れる
Canvaの大きな魅力は、テンプレートの多さです。用途や業種ごとに最適なレイアウトが揃っているため、構成を考える時間を減らし、内容づくりに集中できます。視覚的に整理された資料は、読む人の理解を深めるだけでなく、社内外での印象も良くなります。
業務ルールや手順と組み合わせて、効果的で持続可能なマニュアル整備へ
Canvaでのマニュアル作成は、単なる「見やすい資料づくり」にとどまりません。業務ルールや作業手順の整理と組み合わせることで、チーム全体の業務理解を深め、継続的に改善できる仕組みをつくることができます。
マニュアルの作り方が変われば、会社の伝え方も変わります。ぜひCanvaを活用して、「伝わる」「更新しやすい」マニュアルを整備していきましょう。

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