PowerPoint(パワーポイント)は、情報をわかりやすく、視覚的に伝えるための強力なツールです。スライド形式で作成するため、文章だけでなく画像やアニメーションを効果的に組み合わせることができます。操作性が直感的で、パソコンが苦手な方でも簡単に扱える点も魅力です。今回は、PowerPointを使ったマニュアル作成のメリットやデメリット、さらに作成時のポイントについて詳しくご紹介します。
マニュアル作成に役立つツールの紹介
マニュアル作成を効率的に進めるためには、用途や目的に合わせたツールの選定が重要です。ここでは、代表的なツールとしてPowerPointをはじめ、いくつかの便利なツールをご紹介します。
ツール | 特徴 | おすすめの用途 | |
1 | PowerPoint | 視覚的な魅力と操作性。テキストや画像、アニメーションを活用したマニュアル作成に最適。 | 手順説明や視覚的な情報が重要なマニュアル。 |
2 | Word | 文章量が多いマニュアルに最適。目次やテンプレートで情報を整理しやすい。 | 法律や技術仕様書など、文章主体のマニュアル。 |
3 | Googleスライド | オンラインで手軽に共有可能。リアルタイム編集が可能でチーム作業向き。 | 複数人での共同編集が必要なマニュアル。 |
4 | Canva | デザイン性が高い。ドラッグ&ドロップで簡単に美しいマニュアルを作成可能。 | パンフレット風のデザイン性を重視したマニュアル。 |
5 | Notion | 情報整理と共有に強い。階層構造やデータベース機能で簡潔なマニュアル作成に適している。 | FAQや簡潔な手順書の作成。 |
PowerPoint:視覚的なマニュアルに最適
PowerPointは、スライド形式を活用し、テキスト・画像・動画・アニメーションなどを組み合わせた 視覚的に分かりやすいマニュアル を作成するのに適したツールです。特に、短い手順を説明するマニュアルや、視覚的な補助が必要な資料 に向いています。
また、テンプレートやスライドマスターを活用すれば、デザインの統一感を保ちながら効率的に作成できる のも大きなメリットです。これにより、読み手にとって理解しやすく、見た目にも統一感のあるマニュアル をスムーズに作成できます。
Word:文章量が多いマニュアルに最適
Wordは、文章主体のマニュアル作成に適したツール であり、特に 長文や詳細な手順を整理して記載する場合 に役立ちます。たとえば、法律や規約、技術仕様書などのように文章量が多く、正確な情報を分かりやすく伝える必要がある文書 に適しています。また、目次や見出しスタイル、箇条書き、図表の挿入などを活用すれば、情報を体系的に整理し、読みやすいマニュアル を作成できます。長文の編集がしやすい点も特長で、後から加筆・修正を行う場合にも便利です。
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Googleスライド:オンラインで手軽に共有
Googleスライドは、PowerPointに似た操作性を持ちつつ、クラウド上で作業できる便利なツール です。インターネット環境があれば、複数人でリアルタイムに編集・共有できる ため、チームでの共同作業やオンライン上でのマニュアル作成に適しています。
ただし、PowerPointほどデザインの自由度が高くない ため、細かいデザイン調整が必要なマニュアルには不向き です。そのため、シンプルな構成で素早く作成したい場合や、チームで共有しながら編集したい場合に特におすすめ です。
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Canva:デザイン性の高いマニュアル作成
Canvaは、豊富なテンプレートを活用し、プロフェッショナルなデザインのマニュアルを簡単に作成できるツール です。デザインの知識がなくても、直感的な操作で美しいレイアウトや洗練されたデザインのマニュアルを作成 できます。
特に、視覚的なインパクトを重視した資料や、パンフレットのようにデザイン性の高いマニュアルを作りたい場合におすすめ です。また、画像やアイコン、フォントのバリエーションも豊富 なため、ブランドイメージに合ったデザインを手軽に作成できます。
ただし、細かい文字編集や長文の管理には向いていないため、短めの説明や視覚的な要素が多いマニュアルの作成に適しています。
Notion:情報の整理と共有に強い
Notionは、メモ、タスク管理、データベース機能を兼ね備えたツールで、マニュアル作成にも利用できます。簡潔な手順やFAQ形式のマニュアル作成に最適です。
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PowerPointマニュアルを作成する5つのメリット
PowerPointはプレゼン資料だけでなく、マニュアル作成にも最適なツールです。ここでは「PowerPointマニュアル」の利点を5つの視点からご紹介します。
ランニングコストがかからないPowerPointマニュアル
PowerPointでマニュアルを作成する最大の利点の一つが、ランニングコストの低さです。すでにMicrosoft Officeを導入している企業であれば、追加費用をかけずにマニュアルを作成・更新することが可能です。
専用のマニュアル作成ツールは月額料金が発生することも多く、利用者数やストレージ容量に応じてコストが増えるケースもあります。一方、PowerPointであれば、既存環境を活かしてコストを抑えつつ、社内で継続的にマニュアル運用ができるのが大きな魅力です。
PowerPointマニュアルは自由度が高く、表現力が豊か
PowerPointでは、テキスト・画像・動画・音声・アニメーションなどを一つのスライドにまとめることができ、視覚的に優れたマニュアルが簡単に作成できます。
WordやGoogleスライドに比べてデザインの自由度が高く、業務手順や説明資料も見やすく、理解しやすい形で提供できます。
たとえば、ステップごとに画像や矢印を入れたり、強調すべき箇所をアニメーションで動かすなど、伝え方の幅が広がるのが大きな特徴です。
PowerPointマニュアルは操作が直感的で初心者も安心
PowerPointは、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でスライドを編集できるため、パソコンに不慣れな社員でも扱いやすいのが特徴です。画像や図形、テキストボックスの挿入・編集も感覚的に行えるので、マニュアル作成に不慣れな担当者でも迷わず進められます。
さらに、PowerPointには豊富なテンプレートやチュートリアルも用意されており、初心者でもすぐに習得できます。
PowerPointマニュアルはデザインの統一が簡単
PowerPointでは、自社仕様のテンプレートを作成・保存し、ブランドカラーやロゴを統一的に活用できるため、企業全体で一貫したデザインの資料を簡単に作成できます。また、オブジェクトの配置をピクセル単位で微調整したり、スナップ機能を使って位置を正確にそろえたりすることが可能です。さらに、独自のカラーパレットを作成したり、影や反射、光彩といったスタイル効果をテキストや図形に適用することで、資料のデザイン性をさらに高めることができます。
PowerPointマニュアルは更新がスムーズ
PowerPointのメリットとして、更新のしやすさが挙げられます。スライド形式のため、特定のページや項目だけを簡単に編集・差し替えできるのが特徴です。例えば、業務マニュアルで手順が変更された場合、該当スライドを修正するだけで済み、全体を作り直す必要がありません。
一方で、Wordで凝ったデザインを施した場合、そのレイアウトやスタイルを正確に再現して編集するのが難しいことがあります。特に、表や画像を含むデザインでは、更新者が操作に戸惑い、フォーマットが崩れるリスクもあります。PowerPointではスライドごとに独立して編集できるため、こうした問題が起きにくく、誰でも簡単に更新作業を進められるのが大きな利点です。
さらに、スライドマスター機能を活用すれば、テンプレート全体のデザインやフォントを一括で変更することが可能で、複数のスライドにまたがる修正作業も効率化できます。更新後の資料はPDF形式で保存して配布すれば、関係者への共有もスムーズです。
PowerPointマニュアルの注意点とデメリット
PowerPointでマニュアルを作成する際には、多くのメリットがある一方で、注意すべき点も存在します。ここでは、「PowerPointマニュアル」における代表的なデメリットを解説します。
PowerPointマニュアルは長文に不向き
PowerPointはスライド形式で情報を整理するツールのため、文章量が多いマニュアルには適していません。例えば、法律や手続きに関する詳細な文書、技術仕様書など、文章が主体となる資料の場合、スライド枚数が増えすぎて、全体の構成が複雑化しやすくなったり、テキストの長文がスライド内で窮屈になり、読みづらくなることもあります。
Wordなどの文書作成ソフトは、文章主体の情報を整理しやすく、目次や段落構成を簡単に管理できるため、文章量が多いマニュアルにはより適しています。
PowerPointマニュアルはファイルサイズが重くなりやすい
PowerPointでは、画像や動画、アニメーションなどの視覚的要素を多用することで、ファイルサイズが大きくなる傾向があります。具体的には、高解像度の画像を挿入すると、ファイルサイズが数百MBに達することがあります。また、動画や音声を埋め込むと、さらに容量が増え、メールでの共有が難しくなります。
対策として、画像を圧縮したり、動画をリンク形式で挿入するなどの工夫が必要ですが、管理の手間が増える点は注意が必要です。
PowerPointマニュアルはスマホ閲覧に不向き
PowerPointは主にPCでの利用を想定して設計されているため、スマートフォンでの操作や閲覧には制約があります。スライドの文字や画像が小さく表示されるため、頻繁に拡大やスクロールが必要になり、快適な閲覧が難しくなります。また、スマホアプリ版のPowerPointはPC版に比べて編集機能が制限されており、細かなデザイン調整が行いにくい点も課題です。さらに、スライド間を移動する操作が煩雑になることで、全体の流れを把握しづらくなる場合があります。そのため、スマートフォンでの閲覧が想定される場合は、PDF形式に変換して共有するなどの工夫が必要です。
PowerPointマニュアル作成のポイントとは?

PowerPointでマニュアルを作成する際、ただスライドを並べるだけでは伝わりにくく、見づらい資料になりがちです。ここでは、誰が見てもわかりやすく、デザイン性の高いPowerPointマニュアルを作成するためのポイントを6つに分けて解説します。
PowerPointマニュアルの統一感を出すスライドマスター
スライドマスターを使うことで、全体のレイアウトや配色、フォントを一括設定できます。マニュアル内での「フォントやタイトル位置のズレ」などがなくなり、視認性が高く、信頼感のある資料になります。
また、企業ロゴやページ番号、フッターなど共通要素を一括で反映できるため、作業効率も大幅アップ。更新が多いPowerPointマニュアルでも手間を減らすことができます。
PowerPointマニュアルでのフォントは一貫性がカギ
フォントがバラバラだと、視覚的に読みにくく、マニュアルの信頼性も損なわれます。PowerPointでのマニュアル作成では、原則1種類(多くても見出し・本文で2種類)に絞るのが基本です。
たとえば、読みやすくビジネス文書に適した「BIZ UDゴシック」などを使えば、視認性と品位を両立できます。
PowerPointマニュアルは色の使いすぎに注意
配色はメインカラー1色とサブカラー2色の計3色程度に絞ると、視覚的な一貫性が生まれます。多くの色を使いすぎると混乱を招き、どの情報が重要かわかりにくくなるため注意が必要です。たとえば、メインカラーをアクセントに使い、サブカラーで背景や強調部分を彩るとバランスよく仕上がります。
PowerPointマニュアルに視覚情報を
視覚的な情報を取り入れることで、内容が直感的に伝わりやすくなります。例えば、操作手順を写真やイラストで示すことで、文章だけでは伝わりにくいポイントを補足できます。また、複数の情報を整理して一覧性を持たせるためには、表の活用が効果的です。これにより、読者が情報をスムーズに理解できるようになります。
テキストは簡潔に!PowerPointマニュアルの読みやすさを保つコツ
スライド1枚あたりのテキストは80文字程度に抑え、簡潔でわかりやすい表現を心がけましょう。箇条書きや番号付きリストを活用すると、内容を整理して伝えやすくなります。例えば、パソコンの初期セットアップの作業手順を説明する場合は以下のように記載します。
タイトル:パソコンの初期セットアップ手順
①パソコンの電源ケーブルをコンセントに差し込む。
②モニターケーブル(HDMI)をパソコン本体に接続する。
③電源ボタンを押してパソコンを起動する。
このように長文で説明するよりも、簡潔でわかりやすいテキストを心がけるとよいでしょう。
テンプレート活用で効率的にPowerPointマニュアルを作成
テンプレートを使用することで、時間と労力を大幅に節約できます。PowerPointには多くのテンプレートが用意されており、これをベースに作成すれば、初めての人でもスムーズにプロフェッショナルな仕上がりを目指せます。また、オリジナルのテンプレートを作成・保存しておけば、今後のマニュアル作成にも一貫性を持たせることが可能です。
PowerPointでのマニュアル作成例
それでは、実際のマニュアル作成例をご紹介します。

PowerPointであれば表紙も自由にカスタマイズ可能です。

全体フローは図解するとわかりやすくなることも!PowerPointであれば、自由に作成が可能です。
PowerPointでマニュアルを作成しよう
PowerPointは、視覚的な情報を効果的に伝えられるツールとして、マニュアル作成に非常に適しています。スライド形式を活用することで、テキスト、画像、動画、アニメーションなど多彩な要素を組み合わせた、わかりやすく魅力的なマニュアルを作成することが可能です。また、スライドマスターやテンプレートを活用すれば、統一感のあるデザインや効率的な編集が可能です。
これらの特長を活かして、PowerPointを使ったマニュアル作成に取り組むことで、読み手に伝わりやすく、効率的な情報共有が可能になります。ポイントを押さえた活用で、より効果的なマニュアルを作り上げましょう。
効率的なマニュアル作りは、プロに任せるのも一つの選択肢
Excelマニュアルの作成には、計画・構成・デザイン・更新といった複数の工程が必要であり、手間も時間もかかります。実際、「作りかけで止まっている」「中途半端に作ったけど使われていない」といった声も少なくありません。社内で完結させようとすると、他業務との兼ね合いでどうしても後回しになってしまいがちです。そういった場合は、マニュアル作成のプロに依頼するのも有効な手段です。
mayclassでは、実績のあるマニュアル制作のプロが企業ごとの業務内容を丁寧にヒアリングし、実務に即した分かりやすいマニュアルを提供しています。重要な業務を優先的にマニュアル化し、早期の業務改善を図るだけでなく、視覚的にも整理されたデザインで、誰でも迷わず使える資料に仕上げます。マニュアルは作って終わりではなく、使われて初めて意味を持ちます。マニュアルで属人化の解消、教育コストの削減、業務の標準化といった課題の解決を目指すなら、mayclassへの問い合わせをぜひ一度ご検討ください。
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